【第1回】Movable TypeとWordPressの違いとは?企業サイトで選ぶべきCMSを制作会社が解説

【第1回】Movable TypeとWordPressの違いとは?企業サイトで選ぶべきCMSを制作会社が解説
―― 企業サイトに合うCMSはどちらか。WordPressだけではない選択肢 ―― 企業サイトに合うCMSはどちらか
WordPressだけではない選択肢

Movable TypeとWordPressの違いとは?
企業サイトで選ぶべきCMSを制作会社が解説

対象:企業のWEB担当者・広報担当者・サイトリニューアルを検討中の方 テーマ:Movable Type / WordPress / CMS比較 / 企業サイト運用 目的:Movable TypeとWordPressの違いを整理し、自社サイトに合ったCMS選定や保守・リニューアルの判断材料にする

企業サイトや採用サイト、学校・団体サイトなどを構築する際に、よく比較されるCMSが Movable TypeWordPress です。

WordPressは利用者が多く、プラグインやテーマも豊富なCMSです。
一方でMovable Typeは、企業サイトや官公庁、学校、団体サイトなどで長く使われてきたCMSで、 安定した運用や静的HTML生成に強みがあります。

「WordPressの方が有名だから、WordPressを選べばよい」
「Movable Typeは古いCMSだから、もう使わない方がよい」

このように考えられることもありますが、実際にはどちらが優れているというよりも、 サイトの目的や運用体制によって向き・不向きがあります。 今回は、CMSの中でも比較的利用ユーザーの少ないMovable Typeに焦点を当て、複数回のシーリーズ記事として当社が長年培ってきたナレッジを公開したいと考えています。第一回目に当たる本記事では、企業サイトを運用する担当者の方向けに、Movable TypeとWordPressの違いを分かりやすく解説します。

Movable Typeとは

Movable Typeは、シックス・アパート社が提供するCMSです。

ブログシステムとして知られるようになりましたが、現在でも企業サイト、自治体、学校、団体サイトなど、 比較的しっかりとした運用管理が求められるWebサイトで利用されています。

Movable Typeの特徴のひとつは、静的HTMLを生成して公開できることです。 管理画面で記事やページを作成し、再構築を行うことでHTMLファイルを生成します。

公開側のページを静的ファイルとして表示できるため、表示速度・安定性・セキュリティ面を重視する企業サイトと相性のよいCMSです。

WordPressとは

WordPressは、世界中で広く使われているオープンソースCMSです。

個人ブログから企業サイト、メディアサイト、ECサイトまで、幅広い用途で使われています。 テーマやプラグインが非常に多く、比較的短期間でサイトを構築しやすい点が大きな特徴です。

また、WordPressに対応している制作会社やエンジニアも多いため、情報を調べやすく、運用ノウハウも豊富です。 一方で、プラグインの管理、セキュリティ対策、バージョンアップ対応などを適切に行わないと、不具合やセキュリティリスクにつながることがあります。

Movable TypeとWordPressの主な違い

Movable TypeとWordPressの違いを簡単に整理すると、以下のようになります。

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違い1:利用者数と対応できる制作会社

WordPressは世界中で利用されているCMSであり、制作会社や開発者、利用者の数も非常に多いです。 そのため、困った時に情報を探しやすく、対応できる制作会社も多いというメリットがあります。

一方、Movable TypeはWordPressに比べると利用者数は少なく、対応できる制作会社も限られます。 ただし、これは必ずしもデメリットだけではありません。

Movable Typeは、長年運用されている企業サイトや公共性の高いサイトで使われているケースもあり、 安定運用を重視するサイトで選ばれてきたCMSです。

現在Movable Typeで構築されたサイトを運用している企業にとっては、Movable Typeに詳しい制作会社へ相談できる体制を持つことが重要です。

違い2:ページ表示の仕組み

Movable TypeとWordPressの大きな違いのひとつが、ページ表示の仕組みです。

Movable Type
記事やページを更新した後に「再構築」を行い、静的なHTMLファイルを生成する構成が得意です。公開側の安定性を重視したい企業サイトと相性がよいCMSです。
WordPress
アクセスがあったタイミングでデータベースから内容を取得し、ページを動的に表示する仕組みが基本です。更新頻度が高いサイトや機能追加の多いサイトに向いています。

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WordPressでもキャッシュ機能などを使って高速化することは可能です。 しかし、基本的な考え方としては、Movable Typeは静的生成に強く、WordPressは動的な表示や柔軟な機能追加に強いCMSだと言えます。

違い3:セキュリティ面の考え方

企業サイトでは、セキュリティ対策が非常に重要です。

WordPressは利用者数が多いため、攻撃対象になりやすいCMSでもあります。 特に、古いプラグインやテーマを放置している場合、不正アクセスや改ざんのリスクが高まります。

一方、Movable Typeは静的HTMLで公開側のページを構成しやすいため、 サイトの構成によっては、公開ページ側のリスクを抑えやすいという特徴があります。

ただし、Movable Typeであっても古いバージョンを放置してよいわけではありません。管理画面、サーバー環境、プラグイン、パスワード管理など、定期的な確認は必要です。

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つまり、どちらのCMSを使う場合でも、構築後の保守管理が重要です。

違い4:拡張性と機能追加

WordPressは、プラグインが非常に豊富です。 問い合わせフォーム、SEO対策、予約機能、会員機能、SNS連携など、多くの機能をプラグインで追加できます。

そのため、短期間でさまざまな機能を実装しやすい点はWordPressの大きなメリットです。 一方で、プラグインを多用しすぎると、サイトが重くなったり、プラグイン同士の相性問題が起きたり、セキュリティ管理が複雑になったりすることがあります。

Movable Typeは、WordPressほどプラグインに依存する構築ではなく、サイトの目的に合わせてテンプレートや設計を作り込むケースが多くなります。

そのため、あらかじめ運用ルールや必要な機能が明確な企業サイトでは、Movable Typeの方が安定した構成を作りやすい場合があります。

違い5:保守・運用のしやすさ

CMSは、作って終わりではありません。公開後も、以下のような保守作業が必要になります。

  • CMS本体の状態確認
  • セキュリティ対策
  • サーバー環境の確認
  • バックアップ
  • フォームの動作確認
  • 表示崩れの確認
  • 管理画面のアカウント管理
  • 不具合発生時の対応

WordPressは対応できる会社が多い一方で、プラグインやテーマの更新頻度も高く、継続的なメンテナンスが重要です。

Movable Typeは、安定運用しやすい反面、対応できる会社が限られるため、トラブルが起きた時に相談先を探すのに時間がかかる場合があります。

Movable Typeが向いているサイト

Movable Typeは、次のようなサイトに向いています。

  • 企業のコーポレートサイト
  • 採用サイト
  • 学校・教育機関のサイト
  • 自治体・団体サイト
  • 更新頻度が比較的落ち着いているサイト
  • セキュリティや安定運用を重視したいサイト
  • 複数の担当者で管理するサイト
  • 長期運用を前提としたサイト

特に、頻繁にデザインや機能を変えるよりも、 安定して情報発信を続けたい企業サイトでは、Movable Typeが適しているケースがあります。

WordPressが向いているサイト

一方、WordPressは次のようなサイトに向いています。

  • ブログやオウンドメディア
  • 更新頻度が高いサイト
  • プラグインで機能を追加したいサイト
  • 小規模な企業サイト
  • 短期間で構築したいサイト
  • 社内担当者がWordPressに慣れている場合
  • 将来的に機能拡張をしやすくしたいサイト

WordPressは情報量が多く、運用担当者にとって扱いやすいCMSです。 スピード感を重視したサイト構築や、頻繁な情報更新を行うサイトではWordPressが適している場合があります。

Movable TypeとWordPress、どちらを選ぶべきか

Movable TypeとWordPressのどちらを選ぶべきかは、サイトの目的によって異なります。 大切なのは、CMSの知名度だけで判断しないことです。

1. 更新頻度と運用体制を確認する CMS選定の基本

更新頻度が高く、担当者がWordPressに慣れている場合はWordPressが向くケースがあります。一方、更新頻度が比較的落ち着いており、安定した情報発信を重視する企業サイトではMovable Typeが合う場合があります。

2. セキュリティと保守体制を確認する 長期運用の判断材料

CMSは構築後の保守が重要です。WordPressはプラグインやテーマの更新管理、Movable Typeはバージョンやサーバー環境、再構築の確認など、CMSごとに見るべきポイントが異なります。

3. 既存サイトを無理に移行すべきか検討する 移行前の現状把握

既存サイトがMovable Typeで構築されている場合、必ずしもWordPressへ移行する必要はありません。現在の構成を確認したうえで、Movable Typeのまま改善する、バージョンアップする、リニューアル時に移行するなど複数の選択肢を検討できます。

既存のMovable Typeサイトの確認ポイント

Movable Typeで構築された企業サイトでは、次のような相談がよくあります。

管理画面・更新の不安
管理画面にログインできない、記事を更新しても反映されない、再構築エラーが出るなど。
担当者不在
前任者が退職して管理方法が分からない、制作会社と連絡が取れなくなったなど。
サーバー・環境変更
サーバー移転、SSL化、PHPやPerlなどサーバー環境の変更に不安がある状態。
移行・保守の判断
WordPressへ移行すべきか、Movable Typeのまま保守すべきか判断できない状態。

以下の項目に当てはまるものがあれば、早めの点検をおすすめします。

  • 1. Movable Typeのバージョンが分からない:古いバージョンのまま放置されていないか
  • 2. 最後にバージョンアップした時期が分からない:長期間メンテナンスされていない可能性がある
  • 3. 管理画面にログインする担当者が限られている:担当者不在時に更新できなくなるリスクがある
  • 4. 制作会社や前任者と連絡が取れない:仕様や管理情報が分からない状態になりやすい
  • 5. 再構築エラーが出たことがある:テンプレートやサーバー環境に問題がある可能性がある
  • 6. サーバー移転やSSL化の予定がある:事前の動作確認が必要
  • 7. バックアップを取得しているか分からない:トラブル時の復旧が困難になる
  • 8. スマートフォン表示やフォーム動作を最近確認していない:ユーザー側で不具合が起きている可能性がある

1つでも当てはまる場合、現在のサイトが将来的なトラブルの原因を抱えている可能性があります。

まとめ:CMSは「有名かどうか」ではなく「運用に合うか」で選ぶ

Movable TypeとWordPressは、どちらもWebサイトを管理するためのCMSですが、特徴や得意分野は異なります。

WordPressは利用者が多く、プラグインやテーマも豊富で、柔軟なサイト構築に向いています。 一方、Movable Typeは静的HTML生成や安定運用に強く、企業サイトや団体サイトなど、長期的に安心して運用したいサイトに向いている場合があります。

CMS選定で大切なこと

重要なのは、どちらが優れているかではなく、自社のサイト運用に合っているかどうかです。 特に、すでにMovable Typeで構築されたサイトを運用している場合は、無理にWordPressへ移行する前に、現在の状態を確認することをおすすめします。

  • Movable Typeは、静的HTML生成や安定運用に強みがある
  • WordPressは、拡張性や開発のための情報量に強みがある
  • 企業サイトでは、更新頻度・運用体制・保守体制を踏まえたCMS選定が重要
  • 古いMovable Typeサイトは、放置せず早めに状態確認を行うことが大切

Movable Typeサイトの構築・保守でお困りの方へ

「古いMovable Typeを使っていて不安」
「管理画面にログインできない」
「再構築エラーが出る」
「WordPressへ移行すべきか迷っている」
「Movable Typeに対応できる制作会社を探している」

株式会社ヒューコネクトでは、Movable Typeを使用した企業サイトの構築・保守・リニューアルに対応しています。 現在のサイト状況を確認したうえで、Movable Typeのまま改善する方法、バージョンアップする方法、WordPressなど他CMSへ移行する方法まで、サイトの目的や運用体制に合わせてご提案いたします。

Movable Typeサイトについて相談する

※本記事は、企業サイトにおけるCMS選定・保守運用の一般的な考え方をもとに整理しています。実際の対応方法は、Movable Typeのバージョン、サーバー環境、テンプレート構成、運用体制によって異なります。

監修者
矢野 俊幸
Toshiyuki Yano
代表取締役 Executive Producer|福岡オフィス
私は25年以上、企業のWebサイト制作・運営に携わってきました。Webサイトは企業の価値を映す大切な資産であり、継続的な改善の積み重ねが成果を生むと信じています。 当社では保守専任エンジニアが直接対応する体制を整え、責任あるサポートを徹底しています。同時に、専門的な内容であっても、できるだけ分かりやすくお伝えすることを大切にしてきました。 本コラムでは、経験豊富な制作者の方はもちろん、これからWeb運営に取り組む方にも寄り添いながら、本質を見極める視点と実務に活かせる知見を、情熱を持って発信してまいります。
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